両班(ヤンバン)の父と奴婢(ノビ)の母との間に生まれ、神童と謳われながら能力を活かせぬ身分のせいで、ゴロツキのように暮らしているギルドン。自由を夢見て清に渡ろうと決意した彼は、清帰りの薬売りの娘イノクと出会い、言葉を習う。一方、現王グァンフィの謀反により焼死したはずの皇子チャンフィは、生き延びて朝鮮に帰還する。兄グァンフィから王位を奪還すべく、王位継承権を記したサイン剣を探し始めるチャンフィ。そんなある日、イノクがトラブルに巻き込まれたところを、ギルドンが助け出す。そのときイノクが拾ったかんざしはチャンフィの母の形見だった。３人が妙な関わりで繋がっていくなか、ギルドンは誤解から犯罪者に仕立てられ、追われる身となる。心に傷を抱えるギルドンに惚れ、無罪を信じるイノク。ギルドンも愚かなほど純粋なイノクに心癒される。だが、チャンフィもイノクを愛するようになり……。